- ウゴービとは
- ウゴービの効果(科学的根拠)
- ウゴービが適している方
- ウゴービと他の肥満治療薬の違い
- ウゴービの副作用
- ウゴービを使用できない人
- ウゴービ治療の流れ
- ウゴービ治療の費用
- ウゴービ治療に関するよくある質問
ダイエット外来は保険適応外での自費診療となります。
基本的には肥満症とその他生活習慣病がある方が対象になります。
ダイエット外来は保険適応外での自費診療となります。
基本的には肥満症とその他生活習慣病がある方が対象になります。
ウゴービとは
 ウゴービ(Wegovy)は、2021年にアメリカのFDAで肥満症治療薬として承認された新しいタイプの薬です。主成分は「セマグルチド(semaglutide)」というGLP-1受容体作動薬で、もともと2型糖尿病の治療に使われていた薬を、体重減少を目的に高用量化したものです。
ウゴービ(Wegovy)は、2021年にアメリカのFDAで肥満症治療薬として承認された新しいタイプの薬です。主成分は「セマグルチド(semaglutide)」というGLP-1受容体作動薬で、もともと2型糖尿病の治療に使われていた薬を、体重減少を目的に高用量化したものです。
GLP-1は食後に小腸から分泌されるホルモンで、食欲を抑えたり満腹感を持続させたりする働きを持ちます。また、胃の動きをゆるやかにする作用もあるため、薬でその効果を再現することで、極端な食事制限をせずに自然な減量が期待できます。
ウゴービの効果
(科学的根拠)
 ウゴービ(Wegovy)は、68週間の臨床試験で平均体重が約14.9%減少したという結果が報告されており、既存の肥満治療薬の中でも特に高い減量効果を示しています。医師の管理のもとで使用することで、健康的で持続的な体重コントロールが可能とされています。
ウゴービ(Wegovy)は、68週間の臨床試験で平均体重が約14.9%減少したという結果が報告されており、既存の肥満治療薬の中でも特に高い減量効果を示しています。医師の管理のもとで使用することで、健康的で持続的な体重コントロールが可能とされています。
さらに、体重減少だけでなく、高血圧・脂質異常症・糖尿病といった生活習慣病の改善にも寄与することが分かっており、美容目的にとどまらず、健康維持・再発予防の面でも有用です。
ウゴービの特徴
満腹感が長く続く
 ウゴービは単なる食欲抑制剤ではなく、体内のホルモン「GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)」の働きを再現する医薬品です。有効成分セマグルチドが脳の食欲中枢に作用し、満腹感を持続させ、胃の動きをゆるやかにします。週1回の皮下注射で効果が持続し、自然に食事量を減らせる点が大きな特徴です。意志の力に頼らず、身体の仕組みに沿った生理学的な減量を可能にします。
ウゴービは単なる食欲抑制剤ではなく、体内のホルモン「GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)」の働きを再現する医薬品です。有効成分セマグルチドが脳の食欲中枢に作用し、満腹感を持続させ、胃の動きをゆるやかにします。週1回の皮下注射で効果が持続し、自然に食事量を減らせる点が大きな特徴です。意志の力に頼らず、身体の仕組みに沿った生理学的な減量を可能にします。
臨床試験での有効性
複数の国際的試験(STEP試験)で有効性が確認されています。たとえば2021年の「New England Journal of Medicine」掲載のSTEP 1試験では、肥満の被験者1961人を対象に68週間実施した結果、ウゴービ投与群で平均約14.9%の体重減少が確認されました。プラセボ群の2.4%と比較して明らかに高い効果を示しました。
また、STEP 2試験では2型糖尿病患者でも平均9.6%の体重減少が見られ、糖代謝異常を伴う肥満にも有効であることが分かっています。STEP 4試験では、投薬中止後に体重が再増加する傾向があり、ウゴービが体重維持に重要な役割を果たしていることが示唆されました。
ウゴービが心血管のリスクを軽減する?
セマグルチドは、腸のホルモン「GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)」の働きを模倣する薬で、血糖値の上昇を抑え、食欲を減らす作用があります。これにより、体重減少や心血管リスクの低下が期待されています。米国ではもともと糖尿病治療薬として使用されていましたが、現在では肥満症の治療薬としても承認されています。最近の臨床試験では、糖尿病のない過体重・肥満の患者に週1回注射したところ、心臓病や脳卒中などのリスクが低下し、体重・血圧・血糖なども改善することが確認されました。この結果は、肥満を「代謝性疾患」として捉え、治療を通じて心血管リスクを減らせる可能性を示した重要な研究とされています。
体重減少以外の健康効果
ウゴービは体重を減らすだけでなく、血圧・血糖・脂質などの改善にもつながります。
具体的には、以下のようなことがあります。
- 血圧の低下
- 空腹時血糖・ヘモグロビンA1cの改善
- LDLコレステロールの減少
- 肝機能の改善
- QOL(生活の質)の向上
といった多面的な健康効果が確認されています。ウゴービは「見た目のダイエット薬」ではなく、肥満に伴う生活習慣病を包括的に改善する医療的な減量治療薬として注目されています。
ウゴービが適している方
ウゴービは、医学的に肥満症と診断された方を対象に開発された治療薬です。美容目的で体重を減らしたい方すべてに使用できるわけではなく、医師の診察により適応の有無を慎重に判断します。
具体的には、BMI(体格指数)が30以上の方は「肥満症」として治療の対象となります。また、BMIが27以上であっても、以下のような生活習慣病を合併している場合には、治療を検討することがあります。
これまで食事制限や運動によるダイエットを試しても効果が出なかった方や、リバウンドを繰り返してきた方、ストレスや多忙によって食生活の管理が難しい方にとって、ウゴービは有力な選択肢となります。
この治療の特徴は、単に「食欲を我慢する」方法ではなく、満腹感や食欲そのものをホルモンレベルで整えるという科学的アプローチにあります。意思の力だけでは難しかった体質的な課題に対して、医学的に働きかけることが可能です。
さらに、年齢とともに代謝が低下し、痩せにくくなったと感じている方にも適しています。ウゴービは見た目の改善だけでなく、生活習慣病の予防や健康寿命の延伸を目的とした医療的な減量をサポートする治療薬です。
ウゴービと
他の肥満治療薬の違い
| ウゴービ (Wegovy) | オゼンピック (Ozempic) | リベルサス (Rybelsus) | マンジャロ (Mounjaro) | |
| 有効成分 | セマグルチド(GLP-1受容体作動薬) | セマグルチド(GLP-1受容体作動薬) | セマグルチド(GLP-1受容体作動薬) | チルゼパチド(GLP-1/GIP受容体作動薬) | 
| 主な適応症 | 肥満症 | 2型糖尿病 | 2型糖尿病 | 2型糖尿病(ダイエット目的は自由診療) | 
| 減量効果 | 約15%(68週間の臨床試験結果) | 約6〜8%(臨床試験結果) | 約4〜6%(臨床試験結果) | 約15%(臨床試験結果) | 
| 投与方法 | 週1回皮下注射 | 週1回皮下注射または毎日内服 | 毎日内服 | 週1回皮下注射 | 
| 最大投与量 | 2.4mg | 2.0mg | 14mg(内服) | 15mg | 
| 日本での承認状況 | 肥満症治療薬として承認済(2024年2月) | 2型糖尿病治療薬として承認済(2020年) | 2型糖尿病治療薬として承認済(2021年) | 2型糖尿病治療薬として承認済(2022年) | 
ウゴービの副作用
ウゴービで最も多く報告されている副作用は消化器症状です。使用初期には、軽度の吐き気、胃のむかつき、下痢や便秘などが見られることがあります。これは体が薬に慣れていない段階で起こりやすく、特に最初の数週間に集中して現れます。しかし時間が経つにつれて症状は和らぎ、ほとんどの方は問題なく治療を継続できます。
まれに、膵炎や胆嚢疾患などの重篤な副作用が起きるケースも報告されています。
ウゴービの安全性
ウゴービは強力な作用を持つ薬であるため、使用前に副作用や体調への影響について理解しておくことが重要です。
ウゴービを使用できない人
以下の方はウゴービの使用が制限される場合があります。
- 妊娠中の方
- 授乳中の方
- 膵炎の既往歴がある方
- 甲状腺に関する特定の病歴を持つ方
使用を希望する場合は、これまでの健康状態や服用中の薬を医師に正確に伝え、慎重な判断のもとで治療を開始することが重要です。
ウゴービ治療の流れ
 ウゴービによる減量治療は、単なる薬の処方にとどまるものではありません。当院では、医学的根拠に基づき、患者様それぞれの生活や目標に合わせた治療計画を立て、全過程を丁寧にサポートしています。
ウゴービによる減量治療は、単なる薬の処方にとどまるものではありません。当院では、医学的根拠に基づき、患者様それぞれの生活や目標に合わせた治療計画を立て、全過程を丁寧にサポートしています。
初診時には、食生活や生活環境、これまでのダイエット経験、抱えている健康リスクなどを詳しくお伺いします。そのうえで、GLP-1受容体作動薬であるウゴービの作用機序や副作用の可能性、効果の現れ方、自己注射の方法について、画像や図解を用いながら分かりやすくご説明します。
治療開始時には、いきなり高用量を投与するのではなく、少量から始めて体の反応を確認しながら段階的に用量を増やしていきます。この漸増ステップにより、副作用を抑えつつ最大限の効果を得ることが可能であり、医師の指導のもと慎重に進められます。
治療中は、適宜フォローアップを行い、体重の推移だけでなく、食欲や睡眠、体調の変化も確認します。必要に応じて治療内容の見直しを行い、副作用や自己注射に関する不安がある場合には、追加相談や対面サポートも対応可能です。
ウゴービ治療の費用(税込)
| ウゴービ | 1か月 | 
|---|---|
| 0.25mg | 20,000円 | 
| 0.5mg | 40,000円 | 
| 1.0mg | 60,000円 | 
| 1.7mg | 100,000円 | 
| 2.4mg | 120,000円 | 
※上記には診察費も含みます。
ウゴービ治療が
保険適用される条件
日本でウゴービを保険適用で処方するには、日本糖尿病学会や日本内分泌学会などが認定する専門医が常勤し、さらに管理栄養士による栄養指導体制が整った教育研修施設であることが条件とされています。こうした要件を満たす医療機関は全国的にも少なく、主に大学病院や大規模な総合病院に限られています。
そのため、当院ではウゴービを用いた肥満治療を保険ではなく「自由診療(自費診療)」として行っております。
ウゴービ治療に関する
よくある質問
ウゴービは海外ではどのような使用をされていますか?
ウゴービは海外でも肥満症治療薬として広く用いられています。たとえばアメリカでは、青少年への使用が増加傾向にあり、ドイツやイギリス、デンマーク、アラブ首長国連邦(UAE)でも青少年への投与が承認されています。しかし、費用や保険適用の範囲は国ごとに異なります。デンマークでは1か月あたり約340ドル、米国では定価で約1,350ドルと報告されています。
さらに、デンマークでは医薬品監督機関がウゴービの処方に制限を設けるよう勧告しており、米国でも一部の保険会社が保険適用を取りやめる動きがあります。このように、海外ではウゴービの効果や副作用、コストに関する議論が続いており、保険適用の状況も常に変動しています。
※参考
自分で注射するのは難しくないですか?
ウゴービは週1回、ペン型の注射器で皮下注射を行います。針は非常に細く、多くの方は痛みをほとんど感じません。
効果はどのくらいで出ますか?
個人差はありますが、早い方では1か月程度で「食欲が自然に抑えられている」と実感されます。3~6か月続けると、見た目の変化や体重の安定した減少が確認できることが多く、無理な食事制限なしで変化を感じられるのが特徴です。
使用をやめたらリバウンドしますか?
薬を中止した後、生活習慣を見直さないとリバウンドの可能性はあります。当院では、治療中に「太りにくい習慣」を自然に身につけられるよう指導し、薬に頼りすぎない体づくりをサポートしています。
他の薬と併用できますか?
多くの薬と併用は可能ですが、糖尿病薬や一部の消化器薬などとの相互作用の可能性もあります。服用中の薬は必ず医師に伝えてください。
妊娠中・授乳中でも使えますか?
安全性が確立されていないため、妊娠中・授乳中の方には推奨されません。
参考:
- “Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity.” (The New England Journal of Medicine 2021) — 週1回2.4 mgセマグルチド+生活介入を用いた68週間の試験で、平均体重減少率が約14.9 %であったことを報告。
- “Semaglutide for the treatment of overweight and obesity: A review.” (レビュー論文、2023) — STEP試験シリーズ(STEP 1, 2, 4, 8など)をまとめ、非糖尿病・肥満患者における14.9~17.4%の体重減少や、心代謝リスク改善のエビデンスを整理。
- “Long-term weight loss effects of semaglutide in obesity without diabetes.” (Nature Medicine 2024) — 無糖尿病の肥満患者を対象に4年以上にわたる追跡を行い、セマグルチド使用群で継続的かつ実臨床的に意味ある体重減少および代謝改善が得られたことを報告。
 
       
 
             
           
           
         
        
       
         
      