胸部レントゲン検査で異常を指摘された

過去に肺炎や結核などの炎症を起こした痕のことです。

過去に発症した肺の炎症が治った部分に、カルシウム（石灰）が沈着したものです。

過去に発症した肺の炎症などが治った際に、肺を覆う膜が厚くなることです。

肺に袋状の「嚢胞」が形成されている状態です。これらの嚢胞は大きさに応じて破裂し、自然に気泡が発生することがあり、その経過を観察する必要があります。

胸の横幅に対する心臓の横幅の比率が50％を超えている状態です。年齢や体型によっては、心不全の徴候の可能性もあります。

脊髄が左右に曲がっている状態で、時にはそれに伴って、ねじれも生じる場合があります。

本来であれば左胸にあるはずの心臓が、右胸にある状態です。

大動脈弓が、正常例とは逆に右後方、背骨の右側を向いて下降している状態です。

直径4cm以下の丸い影です。肺結核、肺腫瘍などの場合に認められます。

胸部と腹部を隔てている横隔膜の位置が正常より高い状態です。
生まれつきの場合や、結腸ガスの増加、肝臓腫瘍などで起こる場合があります。

肺胞壁の間質部分に炎症が起こっている状態です。

外部組織の影響で、気管の位置が左右どちらかにずれている状態です。
無気肺（以下で説明します）、縦隔腫瘍（じゅうかくしゅよう）などの場合に見られます。

気管支が拡張している状態です。気管支拡張症などで見られます。

気管が狭くなっている状態です。肺結核や肺腫瘍（以下で説明します）などが原因となっている場合があります。

肺胞という袋状の組織が癒着した大きな袋が破裂する疾患です。ブラと呼ばれる気嚢の破裂によって発症します。

奇静脈が発生過程で肺を横切り、右肺の上部が二つに割れる疾患です。

肺を取り囲む胸郭に変形が生じている状態です。この変形は外傷、手術後、またはハト胸などが原因でおこります。

通常では存在しない水が胸部にたまっている状態です。心不全、腎不全、胸膜炎などで見られます。

肺を囲む胸膜、肋骨、筋肉などにコブ状の影ができている状態です。これは主に胸膜腫瘍などによるものです。

肺の周囲の胸膜にカルシウムが沈着したものです。肺結核、塵肺症（じんぱいしょう）などで見られます。

胸を包んでいる胸膜が周囲と癒着する炎症です。過去に胸膜炎や肺感染症に罹患したことが原因となることがあります。

肺結核や真菌感染などが原因で、病変によって死んだ組織が排除された後に形成される空間のことです。

直径2〜10mm未満の円形の影です。肺結核や肺腫瘍などの既往がある場合に見られます。

縦隔とは右肺と左肺の間の空間のことをいいます。この幅が広くなっている状態です。腫瘍や食道拡張などがある場合に見られます。

右肺と左肺の間の縦隔に空気が侵入した状態です。外傷による肺損傷、激しい嘔吐の後などに、食道の小さな穴が開くなどした際に発症します。

右肺と左肺の間の縦隔にあるリンパ節が腫れている状態です。悪性リンパ腫やサルコイドーシスが原因となります。

右肺と左肺の間の縦隔リンパ節にカルシウムが沈着した状態です。結核などが原因となっている可能性があります。

同じX線透過性を有する二つの物体が境界を接して密着している際に、その境界線が不明瞭になる状態です。

心臓にある影の幅が胸部の幅の50％以上であるものをいいます。肥満、心不全、心臓弁膜症などで見られます。

肺胞に細胞成分や液体成分が貯まることによって生じます。肺炎、肺感染症などが考えられます。

脊椎が後方または左右に湾曲している状態です。

太さ1〜2mmの薄い影を線状影、2〜3mmのやや厚い影を脈絡膜状影といいます。
過去の肺感染症などが原因で出現します。

大動脈の直径が拡大している状態です。大動脈弁閉鎖不全症、大動脈瘤などで見られます。

大動脈の上部がループ状に走行し、このループが大きく拡大している状態です。動脈硬化などで見られます。

大動脈が湾曲している状態です。動脈硬化や大動脈瘤などで見られます。

大動脈にカルシウムが沈着した状態です。動脈硬化などで見られます。

過去に肺を取り囲む胸膜に炎症が起こり、その後治癒したことを示す痕のことです。

肺周辺の筋肉や脂肪に異常が見られる状態です。脂肪腫などが原因となることがあります。

嚢胞は、肺胞壁の破壊や膨張によって、隣接する肺胞と融合してできた大きな袋のことです。これが破裂すると、自然気胸という疾患になります。

肺の容積が全体的に膨張している状態です。肺気腫などで見られます。

正常な肺の袋状の構造が拡大し、破壊される疾患です。

肺血管系の異常により、肺の血管の太さが異常な状態となっています。血管が肥厚している場合、心臓機能の低下である可能性があります。逆に、見えにくい場合は肺気腫が原因のことがあります。

肺組織に発生した腫瘍です。CT検査などで良性か悪性かを診断する必要があります。

肺組織が線維化している疾患です。

2〜10mm未満の丸い影です。過去に罹患した肺結核や肺腫瘍などの痕として見られます。

肺の組織に形成された腫瘍です。CT検査などで良性か悪性かを診断する必要があります。

左右の肺の間に位置する、気管や血管が通る場所が腫れる現象を指します。この部分には多くのリンパ節が存在しています。肺腫瘍、肺結核、サルコイドーシスなどがこの腫れの原因となります。

肺門部にカルシウムが沈着している状態です。肺結核、サルコイドーシスなどの場合に見られます。

枝分かれした肺血管が互いに交差し、撮影すると肺模様と呼ばれる複雑な網目模様を形成します。これを肺紋理といいます。
心不全による肺血管の肥厚、気管支周囲の炎症、肺腫瘍などが原因となります。

肺が通常より暗く見える状態をいいます。肺気腫などで見られます。

直径数mm以下の顆粒状陰影が多数認められる状態です。肺結核、びまん性汎細気管支炎などが原因とされています。

肺間質の肥厚により形成される網のような模様が広範囲に広がっている状態です。この所見は肺線維症やサルコイドーシスなどで観察されます。

心臓にペースメーカーが埋め込まれている状態です。

肺腫瘍や異物による気管支の閉塞によって肺の容積が部分的に縮小し、空気の出入りが妨げられる所見です。

胸部前面中央の胸骨が内側に陥没して凹んでいる状態のことをいいます。

胸部レントゲン検査で結節性陰影や浸潤性陰影が確認された場合、肺がんや肺腫瘤の可能性が考えられます。結節陰影は、良性腫瘍、肺結核、肺真菌症、非結核性抗酸菌症でも見られることがあります。良性と悪性を区別するためには変化を見極めることが重要であり、新たな所見や腫大が観察された場合は、できるだけ早く精密検査を受けてください。
湿潤陰影は、肺組織に水がたまっていることを示す不明瞭な陰影のことです。これは肺炎でよく見られますが、肺がんの発見のきっかけともなり得ます。

慢性閉塞性肺疾患（COPD）は、長年の喫煙によって肺組織が損傷する疾患です。破壊された肺組織や細くなった気管支などの所見が観察されます。壊れた組織は再生できませんが、禁煙することで疾患の進行を止めることが期待できます。疾患が進行すると、通常の呼吸では十分な酸素を得られなくなるため、常に酸素を供給する治療が必要になります。

結核は、活動性肺結核と陳旧性肺結核の二つに分類されます。活動性肺結核は感染を広げる危険があり、陳旧性肺結核は、結核菌を排出しないので他者に感染させないという特徴があります。これらは胸部レントゲン検査で特有の影として確認できます。結核は、古い疾患と見なされがちですが、現在でも毎年1万人以上が肺結核と診断されています。適切な治療を受ければ、半年ほどで治癒することが可能です。そのため、感染を拡大させないためにも早めの受診が非常に重要です。

主な症状は咳、血痰、発熱、倦怠感など結核と似ていますが、大きな違いは人から人へ感染しないことです。胸部レントゲン検査やCTでは結核との鑑別が難しいため、痰や組織を採取し、顕微鏡で菌の種類を確認することで確定診断となります。

サルコイドーシスは肉芽腫という炎症ができる疾患で、原因は不明です。肉芽腫は全身のさまざまな場所にでき、症状は肉芽腫の場所によって異なります。肺の肉芽腫は咳や呼吸困難を引き起こすことがあるものの、多くの場合は無症状です。ほとんどの症例は自然に治癒するといわれ、重篤化することは少ないとされています。

胸部レントゲン検査において気管が左右にずれている場合、甲状腺の肥大や周囲の腫瘍の可能性が考えられます。この状態を詳しく調査するためには、超音波検査（エコー検査）や血液検査を行い、異常がないかを確認する必要があります。